SSブログ

患者と医療者の関係の難しさ [社会が気になる日]

 

この連休で、私は実家に帰ってました。

というのも、父方の祖母の調子もあまりよくなく、ちょっと顔を見るために・・・と。

祖母は酸素とモニターをつけていましたが、まぁなんとかしゃべってたし、とりあえずはお見舞いができてホッとしました。

その近くに、母方の祖父も入院しているため、祖父のお見舞いにも行ってきました。ウトウト寝てることが多いみたいだけど、その時はしっかり起きてテレビみてたし、ボソボソながらもちゃんと喋ってました。まぁ88歳ということもあり、たまに名前が出てこないことはありますが、しっかりしております。

そんな祖父の話ですが・・・

先日、母がお見舞いに行った際、祖父が「(おむつ交換の時に)叩かれた」と言ったらしく、二人部屋の隣の人も、カーテンを挟んでたので詳細はわからないですが、そのスタッフの対応の悪さを指摘していました。

母は、その場を見てないので真相は定かではないけれど、とりあえず看護師さんに「父が叩かれたというのですが」と伝えたそうです。そのあとに、看護師長がやってきて、「そういう対応があったのなら、それはあってならないこと。申し訳ありませんでした。そのスタッフに聞きます」と言ってきたそうです。

そのあと、その張本人が登場。オバチャン看護助手らしいですが、「私は叩いてません!痒いといって、おむつ触ってるから、そんなことしたらダメですよ、と手をとってパチパチとしただけです。」と反撃・・・。

しかし、祖父の話を聞くと、「叩けるものなら叩き返してみぃ(みろ)」と言われた、と言うじゃありませんか・・・。

ボ~ッとしているようには見えますが、割とちゃんとしている祖父。それを聞いた母は怒り心頭ですが、なにせその現場を見てないうえに、その看護助手は「言ってません!」と・・・。それより「私はくそばばぁと言われました!」とさらに反撃。

そらな・・・患者さんの一人や二人に、「くそばばぁ」と言われることもあるさ・・・。そんないちいち目くじら立ててたら、医療者なんて務まりません・・・。一体、何年看護助手をやってるのかわりませんが、そんなことを言われるのにいちいち怒ってたら、神経持ちませんし、余計に“くそばばぁ”になっていきます。

うちの母は、「前の病院では、うちの父は一切そういう言葉は言いませんでした」と暗に対応悪かったから、くそばばぁと言われたんじゃないでしょうか、ということを匂わしながら、伝えたらしいですが・・・(^_^;とはいっても、昔から頑固ジジィだった祖父。まぁ憎まれ口の一つでも叩いたんしょう。

結局のところ真相わからず・・・

しかし・・・何より腹立たしいのは・・・後日、院長との面談に行った母が、院長から言われた言葉。。。

「先日、トラブルがあったみたいで・・・。こちらも、そんなことを言われるのは心外です。」

だって・・・。

は~~~~?それは・・・もし思ってても、言ったらいけない言葉だと思いますけどねぇ・・・。

嘘でも、「すみません」の一言でもあれば、家族としても平穏な気持ちでいられるものを・・・なんという上から目線。。。それを直接言われた母の気持ちを察すると、どうにも腹立たしい気持ちになります。

確かに、働いているといろんなことがあります。患者さんに物を投げられたこと、暴言吐かれたこと、叩かれたことなんて、数知れずです。そりゃ、人間だもの、イラっとはします。「私が何したの~」と悲しくもなります。そんなときこそ、自分が今、医療従事者だということを立ち止って考えなくてはならないと思います。時には演じることも必要なのです。

まぁきっと、その看護助手、“せっかくキレイにおむつしてんのに、勝手に触って、汚して、こっちの仕事を増やして~!”っと思ったんでしょう。叩いてないというなら、叩いたと誤解されるようなことをしちゃいけない。

数日後・・・うちの祖父は別の病棟へ移動となりました(=_=;

 

人間社会、どこにでもトラブルはおきます。人間関係がそこに存在する上で、トラブルのないことなんて、まずないでしょう。

そんな時こそ、今まで生きてきた中で培った知恵を出す時だと思うのです。

私自身、まだそれが十分だとは思いませんが・・・

もし、そんなつもりはなくても相手に不快な思いをさせてしまったなら・・・その時は、もう一度自分を見つめ直せるいいチャンスなのです。

人を不快にさせるのは簡単。けれど、人を幸せな想いにさせるのはかなり大変なこと。

そういうチャンスを、無駄にしちゃいけないと思うのですよ。。。

 

結局のところ、その看護助手のオバサンやそこの院長が、祖父や私たち家族のことをどう思っているか知りませんが、へこんだり怒ったりするだけでなく、もっと「生かす」努力をしてほしいものです。

 

余談ですが。。。

私が以前バイトをしたことのある病院でも、患者さんに叩かれたら叩き返していた場面をチラリと眼にして驚愕したことがありますが・・・

そこは、かなり忙しく、患者さんも暴言を吐かれる人が多い病棟で、人はこうやって変貌していくのか・・・と思ったことがあります。環境が人を変える、とはこういうことなのか、と。

今、大学で生活環境心理学を受講してますが、改めて環境と心理は密接な関係にあると感じております・・・。

 


nice!(20)  コメント(7) 

nice! 20

コメント 7

わか

忙しいときの対応を見ていると、本当のプロかどうか判ります。
お客さんを大切にしましょう、患者さんがそんな運動を始めた方がいいかも
変なコメントで失礼致しました。
by わか (2009-11-24 06:54) 

aia

難しい問題ですね。
入院中の祖母の見舞いにいったときに、腎臓が弱ってうつらうつらしているおばあさんの頬をつねったりはたいたりしながら食事を乱暴に口に押し込む看護士さんを見て衝撃を受けましたが、限られた時間の中で患者さんにできるだけちゃんと食事をさせようと看護士さんが必死で働いているのも見ていて分かりましたし…。看護士さんの数が少ないのが悪いのかなとも思いましたが、数を増やせば医療費もあがるでしょうし…。本当に難しいです。
by aia (2009-11-25 13:48) 

shira

 う〜ん、これそのまま医療系入試の面接とか小論に流用できそうな話ですね。ランさんの文面が説得力があるのは、相手への共感を持ちつつ、でも私はこれはいかんと思うということをきちんと書いているからでしょう。
 部外者たる私としては、なぜ彼ら彼女らがそんな対応をするに至ったのかを知りたいですね。そこに医療現場の苦悩があるかもしれないので。
by shira (2009-11-25 23:52) 

p-can♪

 密室ですものね......。取調室やタクシーの中等々......。患者の同意を大前提とした「監視カメラ」の設置と公開が可能であれば......と患者自身である私は常日頃から痛切に感じております。
「忙しいから患者への言動がつい粗野になる」なんて言い訳していても、上司やドクターにはペコペコとひっきりなしに頭を下げている。患者って「客分」の筈なのに......これじゃスーパーやコンビニの店員の方がよほどしっかりしている。職業選択の自由である国なのですから、嫌なら辞めればいい。しかし、大抵の患者は自ら選んで患者になった訳ではなく、また、患者(病人)を辞めることもできないばかりか、安易に転院することもままならない現状があります。「(患者から)頭を下げられて当たり前」「感謝されて当たり前」という風潮がベテランになればなるほど多く見受けられ、パワー(ドクター)ハラシメントが横行していて、患者は完全に弱者です。正論なんてとても通用しない。
「医療施設」とは、医療従事者が賃金を稼ぐ場所であるのか、患者が治療する場所として「優先」されるべきなのか、極めて初歩的な問題すらクリアされていない。「マヒしてました」では済まない。
 人間、誰しもミスは犯してしまうもの。それを許せるか否かの判断基準のひとつに「誠意」が多分にあります。患者を家畜同然に扱う連中を数え切れないほど見てきました。いまもそうです。自分の所為で病人になった訳でもないのに、病人にさえならなければ傷つかずに済んだ自尊心と屈辱の日々......。あまりに理不尽且つ不条理だ。
 
by p-can♪ (2009-11-26 07:24) 

ぶぶぅ

院長がそのような人間なのだから、病院がそういった対応になっていても不思議は無い感じですね。
病院も潰れる時代。この病院が近くても、環境の良い遠くの病院に通っておられる方も多そうです。
by ぶぶぅ (2009-11-26 10:45) 

ayu15

苦悩ですねえ・・・。

風に刻む http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2009-10-15や眉山(近日かくつもり)も連想します。

病院で働く人はとても大変そう。でも患者も大変ぽぃ・・・。

いろいろ「ゆとり」がほしいです。病院も患者もゆとりがもてない状況かも??
by ayu15 (2009-11-30 14:10) 

ラン

>わかさん。コメント&niceありがとうございます☆
ほんとに、忙しいときの対応って、その人柄でますからねぇ・・・。

>aiaさん。コメント&niceありがとうございます☆
人づてに聞くと、あぁなんてひどい対応・・・と感じます。
しかし、確かに現場にいると時間がなく、やらなければいけないことがたくさんある中の食介はかなり大変なことがわかります。
とにかく、矛盾した中で、看護師も行き場を見失ってるように感じますね。

>shiraさん。コメント&niceありがとうございます☆
確かに、現場にいると自分が矛盾した環境の中にいるということをわかっているようでわかってないような・・・冷静に考える余裕を失っているように思います。潰れていく同僚を見ながら、自分がどう潰れないでいるか・・・ほんとに息苦しい中で仕事している現実を感じます・・・。

>p-can♪さん。コメント&niceありがとうございます☆
ほんとに医療者と患者さんとの関係性は難しいですね。冷静に話や対応のできない状況の中にいては、必然的に距離はどんどんひらいていきますよね。病院には、そこに必ず「病」というものがあり、距離を縮めるべきなのにさらに開いていく・・・。自分の視点ばかりではどうにもなりませんよね。

>ぶぶぅさん。コメント&niceありがとうございます☆
転院したくても、なかなかない現状もありますよね・・・。しかも、変わってもっとひどい状況だったら・・・と思うと、なかなか踏み出せませんよね。

>ayu15さん。コメント&niceありがとうございます☆
まさに、「ゆとり」のなさ・・・・ゆとりあるべき病院で、矛盾した状況下におかれた人たち・・・医療者も患者さんも、しんどいですよね。


by ラン (2009-12-02 00:06) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。