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看護師の役割って・・・? [社会が気になる日]

 

ナースプラクティショナー。

TVや新聞でもちょこちょこ取り上げられてて、医療者じゃなくても耳にしたことあるって人、増えてきてるんじゃないでしょうか?

さて、この“ナースプラクティショナー”ってやつ。簡単にいえば、医師の代わりに“診断、処方、投薬”を行うことができる、という専門的知識を持った看護師のこと。

アメリカでは主流で、開業ができる州もある。

そもそも、ナースプラクティショナーができたのは、アメリカの高額医療を受けられない人のためや、医者のいない過疎地での医療提供、医師が医師の仕事に専念できるため、であったりするわけですが・・・

最近、この流れが日本にも。。。。

って・・・この流れ、賛否両論なわけです。

例えば、それは準医師を作ってるだけだ、とか、役割が曖昧だ、とか、いや看護師の質の向上になる、とか、専門性の高い看護師が育成される、とか、過疎地の医療に貢献できる、とか、一体どこまで看護師にやらす気だ、とか、、いろいろ。

 

私の個人的な意見として、あくまで個人的な考えですが・・・

今の日本の医療現場の状態から考えて、無謀というか・・・またアメリカのマネするのね・・・なんてちょっと冷めた目線で見てるのです(^_^;

 

なぜって・・・日本とアメリカでは、看護師や医師の役割の位置づけが曖昧で、“何でも屋”のような仕事をしていることも多々あるからです。

アメリカは看護師、医師、ヘルパーの仕事の位置づけがしっかりされ、その中で医師でなくてもできる仕事は看護師に、看護師でなくてもできる仕事は助手へ、ときっちりと分けられているとか。(アメリカで働いたことないので、読み物からの知識だけですが)

しかし、日本はどうでしょうか。大学病院のような大きな病院ではそれなりにしっかりとした位置づけがなされているのかもしれませんが、きっと7割、8割の病院で“何でも屋”のような仕事もしながら、働いていると思うのです。

一般病院の看護師は多くの仕事を抱えています。 

器具の洗浄、ベッドメーキング、入退院の準備、入院オリエンテーション、他科へのカルテ出し、他科への患者さんの送迎、清拭、入浴介助、オペ・検査出し、オペ・検査迎え、看護計画立案、評価、看護記録、薬剤の管理、配布、注射の作成、施注、オペ後の管理、処置の準備、介助、器具片づけ、患者教育、勉強会、看護研究、委員会、新人教育、学生指導、クレーム対応・・・・その他もろもろ・・・

さて、この中で一日でこなさなくてはならないことがどれほどあるか。

経費削減のあおりを受けて、看護助手の数を減らされたりして、看護師がしなくてはならない業務が増えたり・・・・、“看護の質を高める”なんて躍起になっていろんなことに手を出したり・・・。

“看護とは、「気づかい」である”と言われるけれど、その気遣いができる環境にはたしてあるのだろうか。

もちろん医師も大変な仕事量を抱えていると思います。外来診察、オペ、入院患者治療、研究、論文、学会、そして当直・・・。

ここら辺が大きくアメリカと違っているところなのではないか・・・?

 

ナースプラクティショナーは、それはそれでいい職業だとは思いますし、やりたいと思う人は目指したらいいと思いますし、それが医師のいない僻地の医療に貢献できるなら、それはすごくいいことだと思います。(日本でできるかどうかは別にして・・・)

でも、そもそも『看護』ってなんなんだって思ったりもする・・・だって、診断や治療がしたくて看護師になるわけじゃないだろうに・・・。

ナースプラクティショナーの役割は、忙しい医師に代わってゆっくり患者さんの話に耳を傾けて接することで、信頼感が高まったり、安心感を与えたりすることにもつながる、ということも言われてますが。。。

 

ただ、もしこの制度が日本で受け入れられようとするのならば、制度うんぬんより前に、“看護師が看護師の仕事に専念するため”に、もっと『整備』が必要なんじゃないかと思うのです。ごちゃまぜの曖昧な位置づけのままでは、どんどん差(病院間や看護師間の)が広がることになるし、結局このままじゃ、ナースプラクティショナー育成のために!・・・とかいろいろ掲げても、賛同も得られず、「診断や治療がしたけりゃ医学部に編入しなおしゃいいやん」ってことになり兼ねないと思うのです。

今でさえ、受け入れがたいこの制度。“一体何がしたいんだ”と思ったりもする・・・。

私があまり受け入れられないのは・・・やっぱり“看護”って何なん?って思ってるからです。

そもそも、療養上のお世話をするため、の看護師じゃないのか??

 

 

多くの看護師が、今でも“仕方ないけど、これが当たり前”だと思ってやってることって多いと思うんですけど、でもこういうことが結局ストレス蓄積させて、バーンアウトしたり、仕事イヤイヤ病発病しちゃったりするんじゃないでしょうか・・・・?

離職防止のために組織改革!とか当たり前のこと言ってても、結局状況はあまり改善せずで・・・(よくなってもすぐ悪くなる・・・)、行きつくとこは“ストレスコーピング行動力!”なんて、自分で対処できるようになれ的なことを言われたりして・・・・

いやいや、それよりも、もっと位置づけはっきりさせて、それぞれがそれぞれの仕事ができるように改善することが先なんじゃないかと思うのです。なんだか、今“ややこしい”ことが多いです(笑)

 

結局のところ、今の医療を支えてるのは、専門を掲げてる看護師ではなく、“何でも屋”のような仕事を日々こなしてる医師や看護師じゃないかと思います。誤解を招いてはいけないのですが・・・もちろん、専門看護師も大学院で専門教育を受け、研修もして、しっかりとこれからの医療に貢献していける逸材だと思いますが、これはまだマイノリティーであるわけです。当たり前やけど。

土台を作ってくれているのが、日々一生懸命病院で働いている人たち。その人たちがいるからこそ、専門看護師が専門看護師として仕事できるわけです。

ナースプラクティショナーも、やっぱり土台がしっかりしてないと難しいんじゃないかと思うのです。特に、本来看護師の仕事だと思われる部分から逸脱した行為をすることになるわけですから・・・。

“専門”という名札を意味あるものにするために、もう曖昧な世界ではやっていけないところまできているのではないでしょうか・・・?

新しいものを取り入れたらブームにはなりますけど、それが存命できるかどうかは、さて・・・今のままではどうでしょね。。。

 

あ、ちなみに私は看護師の質の向上うんぬん・・・があまり好きではないので(質が低いと思う人は思ってたらいいんじゃない?と思ってるので・・・笑)、看護師の質の向上のためにって旗あげてるのには、どうもついていけません(^_^; 逆に「これが“質の向上になるで~”」と餌をまいてる親分にシッポふって芸してるようにしか今は思えないのです。。。

カラクチでおこがましくてスミマセン(=▽=;

 


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シラネアオイ

おはようございます。nice! コメントありがとうございます。
世の中の仕事:自民党の時代か?民主党の時代か?みたい
な所があって、どちらにしても余り変わらない。こんな状態が
現実でしょう。
そんななかで、自分の仕事に情熱と信念をもって未来へ!!
by シラネアオイ (2010-04-23 05:24) 

shira

 まあ資本主義の権化アメリカらしい発想ですね。
 んなもん、医師を増やせばそれでOKでしょうに。
by shira (2010-04-23 23:07) 

ひろし

すごく現実は大変なことと思います。

部外者である私がとやかくいうなといわれるかも知れませんが、一言言わせてください。

一連読ませていただきましたが、それでいまの環境をよくするにはどうすれば
いいと思いますか?
医師の仕事を獲ってしまうのなら、もちろん費用も取って給料を上げるべきと思います。
今でも病院の請求書を見てて思いますが、
なぜ医療費(医師の技術料)は明記されているのに、あれだけ面倒見てくれる看護費用の
請求は載ってないのでしょうか?
看護を費用として請求するべきではないかと思います。
現状に追加するのではなく、大した診療もしていない診察費を減らせばいいだけの話では。

お金のない人たちに医療が行き届かなくなるという理由で、競争原理や企業を
医療に持ち込むなという意見が出ますが。
実態は金がなくては医療は受けられません。
それにお金持ちはすでによりよい医療を受けておられるのですから、
実態はあると思います。
逆に優秀な医者も、やぶ医者も同じ単価の給料もらうことができなくなることを危惧して
医者が反対しているようにも思います。

by ひろし (2011-11-18 21:11) 

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