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小説の中に秘められたパワー [読書日和]

春休み(?)にも突入したことだし! 心置きなく読書ができるのです( ̄∨ ̄)とはいっても、最近そんなに本を読んでなかった私・・・。 今回選んだものは
償い (幻冬舎文庫)

償い (幻冬舎文庫)

  • 作者: 矢口 敦子
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2003/06
  • メディア: 文庫
今はまだ途中ですが、これはおもしろいです! 登場人物もわかりやすく、それでいて個性的。表現がとても奥深い。 これはたぶんあっという間に読んでしまいそうな予感です。   私の好む小説って、だいたいがミステリーものだったんだけど、数年前に友人に勧められて読んだ重松清の小説、「この世界、いいかも」と思わせられました。
流星ワゴン (講談社文庫)

流星ワゴン (講談社文庫)

  • 作者: 重松 清
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/02
  • メディア: 文庫
ありそうで、ない世界。なのになぜか身近に感じられてしまう。それが現実とそうでない世界とのバランスが、とてもいい味を出してる小説でした。 あぁ、もう3年前なのか~。   で・・・私はどうも「小説」というカテゴリーの中に入れたくないと思った本。
恋空〈上〉―切ナイ恋物語

恋空〈上〉―切ナイ恋物語

  • 作者: 美嘉
  • 出版社/メーカー: スターツ出版
  • 発売日: 2006/10
  • メディア: 単行本
恋空〈下〉―切ナイ恋物語

恋空〈下〉―切ナイ恋物語

  • 作者: 美嘉
  • 出版社/メーカー: スターツ出版
  • 発売日: 2006/10
  • メディア: 単行本
もしも、これを「小説」として読んでいるのならば、私はそれはどうも違うんじゃないかと言いたい。 「ケータイ小説」としてバカ売れした本。で、映画にまでなっちゃった!(映画とは設定が違ってるケド・・・) 本の内容や特徴に好き嫌いはあるだろうが、これは「小説」ではなく、しいていうなら「ドキュメンタリー日記」??? と、私が「小説」という名称を否定するには、この本から感情は多いに伝わってくるんだけど、情景がまったく伝わってこないからだ。春夏秋冬はわかる。が、やはり小説というものは文字の中にもっと深みがあるものなのではないかと思う。 確かに内容は身近に感じられ、感情移入するような内容(かなり衝撃的だけど!!)。だからこれがケータイで女子高生たちに読まれたってのもよくわかる。文章を読んで感情を豊かにさせるってことは感性も豊かにさせるのだろうから、私はこういった類のものを読むのはかまわないと思うし、どんどん普及してもいいんじゃないか、とは思う。 けど、「小説」というカテゴリーの中に入れ、これを「流行」の世界の中で売り出し、取り扱っているメディアに少し不満を感じる。   数年前、「せかちゅー」が流行りましたよね。私はこれを店頭に並んだ時に購入し、1日で読んでしまい「ん~あんまりおもしろくない小説だな・・・」と思ったことを思い出しました。まぁ、これも私の好きな小説の部類でなかったから、自分の心に浸透していかなかったのだけど・・・のちに、めちゃめちゃ大ヒットしたでしょ。。。 あぁ、私って小説を見る目ってないのかしらん・・・って思ったわけです(=_=; でも、あれは小説というより「映画」がヒットしたと私は勝手に思ってる。 「恋空」にしても「映画」にすることで、どれだけ変わってしまうか・・・それだけに小説に「んんん~~」と思ってしまったのかもしれない。 あくまで、これは「小説」というカテゴリーの中で一緒に売り出しちゃったメディアに反発してるのであって、「恋空」の内容を否定してるわけではないのですケド・・・(>_<)ゞゞゞ   小説のひとつも書けない私が、あーだこーだと言ってるのは、おこがましい話なんだけど(=_=;; もう一度読み返したい、読み返したときにまた違った感覚が味わえる小説と出会いたい。と常々思ってるわけです。   私はこれまでで一番好きな小説、そしてたぶん10回は読んだ本。
アルジャーノンに花束を

アルジャーノンに花束を

  • 作者: ダニエル キイス, 小尾 芙佐
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1989/04
  • メディア: 単行本
引越しを繰り返し、そのたびに本は古本屋さん行きになってる私ですが、この本だけはどうしても手離せない! 私はこれを読んで、人間が得る感受性の重さ、そして、それと共生していくことの難しさを感じるとともに、人間が様々なものから影響を受け、個人が形成される中でそれが自然とできていることの人間の偉大さを感じた。 もちろん、翻訳技術のすばらしさにも感銘を受けた。     以前私は「人は、書物や芸術作品に触れることで、ものの見方、考え方が変化すると思いますか」 という問いに対し、以下のような返答をした。 中略もありますが・・・・ 「人間は教育や学ぶことは同じであるのに、それを捉えて成長していく過程は様々であり、そのようにして一個人の思考や精神が形成されていくと思われる。 そのため、様々な書物や芸術作品に触れ、感じることも個々それぞれに違う。それは自ら興味を持っていることに対してだけでなく、それに触れることで内に秘められた何か底知れない思いが湧き出し、新たな影響を受ける場合もあると思われる。 この影響力は小さいものから自らの人生の方向性を変えていく大きなものまで大小さまざまであろう。 書物や芸術作品にはそのようなものの見方、考え方が変化する影響力を持っているからこそ、人間はそれをみて感動を覚えたり、もう一度触れたりするのではないかと考える。 私は、この本(アルジャーノンに花束を)を読んで、今まで捉えていた現実世界が、見方を変えれば異世界に成り得るのだということを感じ、自分の置かれている環境に幅広い視野が持てるようになったと考えている。 よって、“人は、書物や芸術作品に触れることで、ものの見方、考え方が変化すると思うか”という論点について、私の見解はyesである。」と・・・・。   つまり、何が言いたいかといいますと・・・・(^_^;; 「小説」には、底知れないパワーがあるわけで・・・もっと心の奥にあるものがフツフツと湧き出してくるような、そんな感情を子どもたちに味わってもらいたい。そして、もちろんオトナになっても、それは温泉のように止まることなく湧き出していて欲しい。 そんな本と出会えたら、ほんとラッキーです(^▽^)      
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コメント 8

ユキ

アルジャーノンはかなりやばいよね!!
私も何度か読んだよ
いや、さすがに10回は読んでないけど
2回は読んでると思う・・・
悲しいよね・・・
なんか、「悲しい」「切ない」気持ちが
そのタイトルを見ただけでよみがえってしまいます・・・
by ユキ (2008-02-20 15:21) 

 本当に価値ある読書体験をした後は、気持ちが落ち着かないというか、心の安定が崩されると私は思います。これはあまり気分のいいものじゃありません。不快ですらあります。しかし、これが「ものの見方や考え方の変化」ということなのだろうと思います。
 泣けたとか我が意を得たとかいう、読後に満足感に浸れるものは、いい娯楽ではあるんですが(それ自体はとても偉大なこと)、読み手の意識を変えてはいないのだろうと。
 そういう意味では、名著を読むのは怖いことです。自分を足元から引っくり返される可能性すらありますから。
by (2008-02-20 20:28) 

aia

面白い話ですね。
日記形式のいい作品もあると思うので、ランさんがその本に入り込めなかったのは、「ドキュメンタリー」なところが問題なのでは??と思いました。同じ記述でも、小説とドキュメンタリーでは文章の質がずいぶん違うでしょうから。

セカチューを見たときに、「これがヒットするってことは、最近のワカモノは妙に慎重で、何かあったらいつでも逃げられるような距離を保ってモノゴトに臨んでいるというか、妙にドライな感じがするのに、変に叙情的なところがあるのかな」と感じたのを思い出しました。

『恋空』のちぐはぐさ(衝撃的でこゆい内容を、とっかかりなくドキュメンタリーチックに書いてしまえる)の源泉も同じパターンなのかな…なんて思いました。まぁ読んだことがないので何とも言えないんですけどね。
by aia (2008-02-20 21:21) 

哲

私は、たまたま徒歩5分のところに図書館があるので、
毎週ジャンルを問わず目に留まった6冊を読んでます。
でも、どこか読書というほどのめり込むのではなくて
、読書を心の避難場所のようにしています。

どこにいても、一気に別の世界に誘ってくれる。
その効果だけを利用して、仕事のごたごたから逃避する。
そんな感じです。

精神面でのケアに使っているといってもおかしくないかも・・・
by (2008-02-20 22:30) 

p-can♪

 私は遠藤周作さんから始まって、いまは岩井志麻子さんデス♪♪♪
『チャイ・コイ』は最高でした♪♪♪\(o ̄∇ ̄o)/♪♪♪
 
by p-can♪ (2008-02-20 23:50) 

chika

最近、ホントに本を読んでないです(>_<)
来月には時間が空くから読んでみようかな。
by chika (2008-02-21 21:12) 

アルジャーノン。
当時、付き合っていた彼(もう半世紀も前の話だ。笑。)に、「すげー、いい、SFがあるから、読んでみろよ。」と言われて、読み始めたら、号泣。「ぜんぜん、SFじゃないじゃん!」って、泣きながら、怒り狂った記憶があります。もちろん、日本語で読んだのですが、翻訳が、また素晴らしいですよね。

春休み。
どうぞ、骨休み、してくださいね。
by (2008-02-24 22:18) 

ラン

>ユキさん。コメント&niceありがとうございます☆
そうですよね~~!私も切なかったです。。。
ふか~い本ですね。

>shiraさん。コメント&niceありがとうございます☆
あぁ・・・ほんとそうですね・・・落ち着かない感じ・・・。
何度も味わえる感覚ではないですけど、忘れられない感覚です。

>aiaさん。コメント&niceありがとうございます☆
ドキュメンタリーものをあんまり読むことがないので、感覚を掴むのに戸惑ったのかもしれません・・・^^;
セカチューも恋空も、今の若者の傾向を凝縮した感じを受けます。

>yoshidaさん。コメントありがとうございます☆
週6冊!?すごいですね~!
私も図書館が近くにあったら・・・きっとはまるかも^^

> p-can♪さん。コメント&niceありがとうございます☆
岩井志麻子さん、読んだことないんですよ~~!
読んでみます~~^^

>chikaさん。コメント&niceありがとうございます☆
ほんと、時間ないとなかなか落ち着いて本読めませんもんねぇ・・・!
2日間くらい読書の日にしたいくらいです^^

>katieさん。コメント&niceありがとうございます☆
確かに、SFではないですよね~^^;けど、ほんとイイですよね!!
あの読みづらさも翻訳技術のたまものです!!

>xml_xslさん。niceありがとうございます☆



by ラン (2008-02-29 01:26) 

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