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心が揺れる本 [読書日和]

 

最近読んで、久しぶりに大号泣した本・・・・

 
 

彼女がそ彼女がその名を知らない鳥たちの名を知らない鳥たち

  • 作者: 沼田 まほかる
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2006/10
  • メディア: 単行本
電車に乗るまで少し時間があったから、何気に手に取って買った本なのに・・・
これほど自分を投影してしまう本だとは思いもよらず・・・((+_+))
解説にもあった。“沼田さんの描く物語は、決して心地よいとは言い難く、不穏で、ぐいぐいと心の奥底に分け入ってくる、今見ている世界を、信じているつもりでいる価値観を、くるりと反転されかねない”“けれど、不快ではない、むしろ救いのであるかのように思える”と。
あぁ、そうだ、そうだ。
不穏。心に分け入ってくる苦しさ。 
でも、心の闇に手が差し伸べられたような。
そんな、感覚か・・・。
  
上っ面の薄っぺらい“ことば”を、どこかで疑いながら、信じようとする浅はかさ。
信じることで、自分の存在価値を認められるような安心感を得て、「自分」を保っていたこと。
主人公の、儚さ。愚かさ。苦しさ。罪深さ。弱さ。醜さ。
それを、実は考えられない愛で許されていたこと。
外から見える“彼女”ではなく、中から“彼女”を受けとめ理解しようとする、そんな主人公に向けられた「愛」が、最後の最後にとてつもなく大きな愛だったことを知らされる。
全くもって、私は実生活で同じストーリーを味わってたわけではないのに、
なぜかこの主人公の心苦しさにのまれてしまい、自分を投影させてしまっていた。
でも、決して報われていないのではなく、
心が少し換気されたような気持ちにもなる。
これは、女性でなければ描けなかったストーリーなんじゃないだろうか。
いや・・・この作家さんだから・・・なのか。
現実に戻って・・・
今日の晩ごはんは冷蔵庫残り物処理で(^_^)/
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そういえば、読書の秋ね [読書日和]

 この前、久しぶりに内科クリニックバイトにいったときのこと。

そこで、一人のおじちゃん患者さんが、先生に意気揚々と述べていた・・・

「先生~!最近ヨーグルトを夜に食べてから、そのあとに安定剤を飲んで寝ると、よ~寝れますねん!最近は睡眠薬要りませんねや~!いやね、そのヨーグルトのパックに書かれてる内容に“安定剤”と書いてますねん。だからですな~。あれ食べだして、夜はぐっすり寝れますのや~」

 と・・・。

???

ヨーグルトに安定剤が????

???????

しばらく考え・・・

安定剤・・・安定剤・・・

それはもしや、食品の品質を保つための安定剤では・・・。

 

なるほど・・・そういう勘違いもある訳ね。

精神安定剤と、食品品質保存安定剤。

 

でも、睡眠薬のまずに、ヨーグルト食べてよく眠れるなんて、健全じゃないか。

要するに、「病は気から」であったわけで、そのヨーグルトは救世主だったのよねぇ・・・。はたして、それが精神安定剤ではないと気づいたのは、彼にとってよかったのかどうか・・・。

 

 

さて、最近やっと本を読む時間ができまして。

思わず一気に読んでしまいました。。。

息がとまるほど (文春文庫)

息がとまるほど (文春文庫)

  • 作者: 唯川 恵
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/09/04
  • メディア: 文庫

一日で読み切ってしまった短編小説。

これ、女の心理状態をうまく表現してて、思わずにやけそうになる(笑)

ここいうの、案外日常茶飯事に起きてたりして・・・ね~。

いやはや、女の世界は怖いけど、面白い。

凍りのくじら (講談社文庫)

凍りのくじら (講談社文庫)

  • 作者: 辻村 深月
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/11/14
  • メディア: 文庫

久しぶりに“ザ・小説”というものに出会った気がする。

サスペンスではなく、ドロドロものでもなく、

でも、人間の感情のうごめきを、ものすごく繊細に表現していて、引き込まれるような感覚にある。

昔ならそんなに読まなかったような本も、今になってすごく面白みがわかったりする。 

そんな一冊かもしれない。

二度読み、三度読みしたくなる本。

金のゆりかご (集英社文庫)

金のゆりかご (集英社文庫)

  • 作者: 北川 歩実
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2001/11
  • メディア: 文庫

ミステリーだけど、“ザ・ミステリー”ではない。早期教育に翻弄された人たち、それによって人生が決まったと思っている人たち・・・。この登場人物の生きざまがおもしろかった。

途中、登場人物のあまりの論理的思考っぷりに、こんがらがりそうになりましたが・・・・(^_^; 

 

宇宙の富士山

宇宙の富士山

  • 作者: 大山 行男
  • 出版社/メーカー: 山と溪谷社
  • 発売日: 2006/04
  • メディア: 大型本

これは、写真集。

この人の撮る富士山は、なんて美しんだろうか・・・。

同じ山だろうか。こんなにも多くの表情を持つ富士山に、ひどく感銘した。

多くを語らずも、多くのものを表現している写真って、すごい力がありますね。


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ただ今、もがいています。 [読書日和]

ただ今、前期試験の真っ只中に加え、さらなるレポートの数々・・・。

ん~早く脱出したい~!

やっと来週提出のレポートを完成させ、開放感からか、何故かこんな時間(ただ今午前1時前・・・)から洗濯機を回し始めたわたし・・・。

明日朝からバイトだってのに、何やってんだか~。

コレ、朝になって後悔するんだよね・・・(=_=;

わかってるんだったらやらなきゃいいのに(^_^;

そんな暮らしの毎日で、すっかり「自分流の生き方」というか、「じこちゅーの生活」が身についてしまった私が最近読んで「おぉぉぉ~~~!」とぐっときた文庫本。

 

その人、独身? (講談社文庫 さ 66-5)

その人、独身? (講談社文庫 さ 66-5)

  • 作者: 酒井 順子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/06/13
  • メディア: 文庫
男性の話題になると「その人、独身?」と聞かずにはいられない。そんな30代以上、独身、子なしの女性の日常生活を、負け犬目線で描く。そんなエッセイ集の文庫化です。
酒井さんの持つ独特の雰囲気がなんとも私は好きなわけでして・・・
ユーモアのセンス(ユーモアと呼んでいいのかはわからないけど^^;)は抜群だと思うんですよね。
随分前に「負け犬の遠吠え」という本を出されたときも、かなりの論争が繰り広げられ、その印象はいまだ根強いですが・・・
この本もこれまたなかなか痛いところをおもしろくついてるというか・・・(^。^;
電車の中で読んでて、何度噴出しそうになったことか・・・!
今試験中だろ・・・電車の中でもノート見といたら?という私の中の私が、小さくつぶやくのですが、そんな声はもうかき消されちゃって、かなりの猛スピードで読んでしまいました・・・(=_=)
実に、、、よく理解できてしまう辺り・・・
まさに私って「負け犬」なのね~と思うのですが、ネガティブでなく、ポジティブにそう感じるのが、酒井さんの本の魅力であるところでしょうか。
「負け犬の遠吠え」を読んだ当時、私はまだ20代で、でもなんとなくこんな未来が待っているようなそんな気配はしてたのですが・・・
まぁ実際32歳となり、このまま大学卒業となると、34歳なわけです。
そんなことを考えてる今、酒井さんの本は主観的にも、客観的にも感じながら読めるのです。
この年代って、ちょっとした思春期のような感じで、往々にしてころっと心情が変わったりするんです。
思春期の子どもが、“いるって言ったり、いらんって言ったり・・・一体どっちやねん!”とか“やるって言ったり、やらんって言ったり、どっちやねん!”といったような、ちょっとした反発が、30代女性にも起こっているのではないか!?と思ったりします。
そんな私も、日ごろ思ってるんです、
“結婚したいのか、したくないのか、どっちやねん!!”って(^_^;
ま、選べる立場になってから物言えって感じですが(笑)
そろそろ、洗濯機も止まったようですので・・・こんな夜中に洗濯物を干しに取り掛かります(^_^;
こんなこと、もしお姑さんとかいたら、怒られるんだろな~~~~ハハハ~~
また試験、およびレポートが一段落したら更新します。

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“ cover ”にかけてみましたけど・・・! [読書日和]

 

You can't judge a book by its cover.

カバーだけでその本の中身まで査定することができない。

つまり、don't make judgements based only on appearances.

“見た目だけでその人を判断しちゃいけない”

っていう英語のイディオムなんだけど・・・

 

確かにね、本のカバーや帯の文字って、その本のかなりの宣伝効果になりますよね。

これに、躍らされて買ったはいいが、「ん??」っと思った本も中にはあり・・・(^_^;

まぁそこはその人それぞれの感受性によって違うだろうから、その本がどうこうって話じゃないんだけど・・・

タイトルや帯の過剰宣伝によって、その本に期待をかけすぎちゃうってこともあるんですよね。

 

この英語のイディオムが示してるように・・・

人だってそう。

知らず知らずのうちに“見た目”で判断ってしてしまってるもんなんですよね。きっと。

先日タクシーに乗ったとき、運転手のおっちゃんの態度にカチ~ンときちゃいました。。。

すごく横柄。で、「ありがとう」といっても知らん顔。

これってさ、私がどこぞやの社長とかだったり、ちょっとした有名人だったりしたら態度違ってただろ~~~って感じるわけですよ。

病棟ナースしてたときだって、経験者にはよくわかるだろうけど、「オンナ」「カンゴフ」「ワカイ」っていう要素だけで、ものすごく横柄な態度をされたことなんて数知れず・・・

医者の前だったら人格違うやん!

って。

ここには、「看護婦さんには表出できてるんですよ」というプラス要素はどこにも感じさせないものがあるのです。

そりゃ、社会の中で生きていれば上下関係ってのは絶対にある。そこを責めてるのではなくて、上下関係であったり、年功序列の関係があったりしてもかまわないんだけど、そこには「礼儀」とか「常識的態度」って必要ですよね。

「ありがとう」や「お願い」とか「ごめんね」とか・・・

当たり前のやりとりが、人を見た目で判断することによって、どれだけできていないんだろうか。

幼いころできていた、こんな簡単なやりとりが、年を重ねて、人を見た目で判断することによって、“誰かには言うけど、誰かには言わない”っていう判断を自分の中でしてしまうことになる。

これって、悲しい。

ある意味、退化だよ。

 

こういう人を責めてる私も、実は知らず知らずにそうしてしまってるのかも知れず・・・大きな顔をして言えないんだけど・・・

人によって態度を変えちゃう人って、例えば「いい大学」とか「いい会社」とか「いい家柄」とか・・・

ただ、その人を取り巻く言わば“カバー”でしかない部分だけを観てるんですよね。

これって、ひがみ!??

ん~。そうではないと・・・思いたいのですが(^_^;笑

 

野生動物のように嗅覚が特別備わってるわけでもないし、その代わりに“思考”を備えた人間にとっては、そういう“カバー”たるもので人を判断してしまうことがあるのは仕方ないのかもしれない。つまり、「こういう人はきっとこんな人だ」って勝手に脳が判断しちゃうってこともあるんだろうとは思う。

でも、せっかく備わった“思考”なのだから、人間の中身に目を凝らしていく努力も必要なんじゃないかな?そういうところに“思考”を働かせてもいいんじゃないかな。

人間に与えられた“特権”を、私たちはうまく利用できていないと思う。 

 

昔は、見た目で判断されることで、「オンナに生まれなきゃよかったよ」とか「看護婦にならなきゃよかったかも」なんて、卑屈に考えた時期もありましたが、今はもうそんなことはあんまり考えません。(30過ぎてから強くなったのかも(=▽=;))

けれど、時々そうやって横柄な態度をとられたとき、「この人は人によって態度を変えるような人なんだろう」と考えちゃいます。何かしら「上位」にいたいんでしょう。そうすることでしか、自分の価値意識を見出せないんでしょう。

人間って、優れている分、どんな動物よりも恐ろしいですよね。ある意味、最強です!

野生的な感性がもう失われてて・・・ターミネーターのようにその人に焦点をあてて、脳がピピピッて判断しちゃう。ピピピッて判断された思考は、体へピピピッと指示を送って・・・一瞬にして態度や口調や表情となってあらわれる。

きっと、この間約0.005秒くらい(勝手な想像・・・(=▽=;))

 

何が言いたかったのかって言ったら・・・・(汗)←そろそろオチをつけなきゃっていう自分の中のプレッシャー(笑)

最近、目にすることがあったyou can't judge a book its cover.のイディオムが、

最近、(私の外見?という)カバーで判断された私と、結構(本の)カバーでその本に期待をかけちゃう私、の両面をふと思い起こさせた、って話でした(^_^;

“cover”に、「わたし」と「本」をかけたわけです(≧m≦)←私が落語家だったら浅さにブーイングだな^^;

 

で・・・・

その“カバー”によって期待をかけられ最近購入して読んだ本。

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫 う 20-1)

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫 う 20-1)

  • 作者: 歌野 晶午
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/05
  • メディア: 文庫

↑これ、ミステリーなんですが・・・

かなりよかったです。最後におおっと騙された!って感じです(^。^;

でも、「勝手な自分の解釈」で、「勝手に騙されてた」んです。

これはちょっと手法が違ってて面白いです。

 

 

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

  • 作者: 梨木 香歩
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2001/07
  • メディア: 文庫

↑これは、今映画化されてますよね。

ちょっと帯に期待をかけられすぎてしまったんだけど、、、、

けど、内容はシンプルなのに暖かい感じで、コレは映画化にしてさらにこの良さがアップしたんじゃないでしょうか?

なんとなくそう思います。

情景、表情、口調、心情、そういったところが、映画にしてもっといい感じに表現されていると思います。映画のダイジェストしか観てないけど(笑)!

本としては、これは小学生や中学生時代に読みたかった本。そのころの心情とリアルに重ね合わせたい感じ!

夏休みの感想文課題なんかにもってこい!じゃなかろうか~と思います。

 

 


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異常者に心はあるのか!? [読書日和]

いつもは午後からのバイトだけだけど、今日は朝から晩までバイトに入ることになってて・・・

おっ!じゃぁお弁当持っていこう~~っと思って、久しぶりに「お弁当」を作りました(≧∀≦)

P1010406.JPG

めいっぱいおかずを作ってしまったので、ご飯入れる場所がなくなってしまった・・・(≡∇≡;)

ということで、でかオムスビの登場です。。。

P1010407.JPG

あ・・・縮小しすぎたけど・・・結構でっかい(笑)

 

バイトからの帰り道、最近警官の姿をよく見かける。この前の変質者出没のこともあるし、見回ってくれてるんだろうけど、変質者って捕まらないよねぇ。。。

この前、変質者には気をつけてねって大学の子に話したら、すでに恐ろしい体験をしてた・・・( ̄_ ̄;;

自宅のエレベーター前でカッターナイフを突きつけられて「金を出せ」と言われたとか!!で、数千円しかなかったらしいんだけど、「コレだけしかないなら体触られろ」とか言われたらしい・・・(お尻触られたんだって・・・・)

なんと!!!!恐ろしい体験!!!!

なんとか大きな怪我もせずにいれたようだけど・・・ほんとそれよりも精神的にまいるよね・・・。

ほんっとに許せないなぁ・・・!!自分より弱者を相手にして喜んでるわけでしょ・・・そういう人間って一体どんな神経してるんだって思う。こころってものがあるのか・・・!??

しかし・・・そうさせたのは何なんだろうか・・・。

 

こんな話を聞いたからってわけじゃないけど、そんな弱者ばかりを相手にひったくりとかを凝り返していた少年が、あるとき経験した体験から「自分」を取り戻していく、いや「自分」を見つけていく小説。

 

しゃぼん玉 (新潮文庫 の 9-36)

しゃぼん玉 (新潮文庫 の 9-36)

  • 作者: 乃南 アサ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/01/29
  • メディア: 文庫

ありきたりな話!?と思いながら読み始めたけど・・・これ・・・思いっきり泣かされました・・・。

読み終えて、またもう一回読んで、また泣かされました。

電車の中でウルウルし・・・(電車の中で感動する本読んでるときって困るよなぁ・・・)(^_^;、家に帰って読み直して号泣(=_=;;

 

小さな村で起こった出来事なのに、なんだろ、人間味があるからなのか、すごくダイナミックなものに感じられる。

その少年の心なんてわかりたくもないくらいの卑劣なヤツなのに、その心は別のものによって支配されてしまってたんだろう、とその「少年」をかばいたくなってくる。それくらいに、言葉によって心を表現することができていると思った小説。

物語の設定はありそうな話なのに、描写力があり、豊かな表現に私はもうのめりこんでしまった。

 

この小説の一文に、こんな言葉がありました。

「自分の力じゃあ、しょうがねえことも、そりゃあ、あるばい。じゃけんど、自分の生き方についちゃあ、しょうがねえって諦めたら、そこで終わりばい。諦めたら、人生なんかやり直せん。どげん若くても。」

当たり前に思える言葉だけど、その「当たり前」をもう一回刻まれた感じがした。

 


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